2023年7月期に放送された日曜劇場『VIVANT』第1シーズンは、商社の誤送金事件から始まり、別班・公安・国際テロ組織「テント」、そして主人公の家族の物語へと展開する全10話のアドベンチャードラマです。
堺雅人さん、阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、役所広司さんという豪華な主要キャストが集結。2026年版の第2シーズンは第1シーズン最終話の直後から始まるため、続編を見る前に人物関係と結末を振り返っておくと、物語をより深く楽しめます。
前半はネタバレを抑えた作品紹介、後半は全10話の重要展開と結末を扱います。未視聴の方は「ネタバレあり」の見出しから先にご注意ください。
『VIVANT』第1シーズンの基本情報
| 放送期間 | 2023年7月16日~9月17日 |
|---|---|
| 放送局・時間 | TBS系 日曜劇場/毎週日曜午後9時 |
| 話数 | 全10話 |
| 主演 | 堺雅人 |
| 原作・演出 | 福澤克雄 |
| 脚本 | 八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈 |
| 音楽 | 千住明 |
| ジャンル | アドベンチャー、諜報サスペンス、家族ドラマ |
『VIVANT』は既存の小説や漫画を原作としない完全オリジナル作品です。放送開始前には役柄や詳しい物語がほとんど明かされず、「誰が敵で誰が味方なのか」を視聴者が考察しながら追う形式が話題になりました。
ネタバレなしのあらすじ
丸菱商事エネルギー開発事業部の乃木憂助は、中央アジアのバルカ共和国にある取引先へ、1億ドルを誤送金した責任を負わされます。送金を取り戻すため現地へ向かった乃木は、爆発事件に巻き込まれ、バルカ警察から爆破犯として追われることになりました。
乃木を救ったのは、警視庁公安部の野崎守。乃木、野崎、世界医療機構の医師・柚木薫は、協力者ドラムとともに国境を目指します。砂漠を横断する逃走劇の裏で、誤送金事件と国際テロ組織「テント」のつながりが浮上。しかし、乃木自身にも周囲へ明かしていない大きな秘密がありました。
相関図|5つの勢力を理解すると分かりやすい
| 勢力 | 主な人物 | 目的・関係 |
|---|---|---|
| 丸菱商事 | 乃木憂助、山本巧、太田梨歩、長野利彦、宇佐美哲也 | 誤送金の原因を調査。社内にテントへ通じる人物が疑われる |
| 公安 | 野崎守、新庄浩太郎、佐野雄太郎 | テロを防ぐためテントと別班を追う |
| 別班 | 乃木憂助、黒須駿、櫻井里美ほか | 自衛隊の非公認部隊として国家を秘密裏に守る |
| テント | ノゴーン・ベキ、ノコル、バトラカ、ピヨ | 世界各地で活動する正体不明の組織 |
| バルカの協力者 | 柚木薫、ドラム、チンギス、ジャミーン | 逃走や捜査を支え、乃木と人間的な絆を結ぶ |
第1シーズンの面白さは、所属と本心が一致するとは限らない点です。公安と別班は日本を守る目的では共通していても、互いの存在や作戦を公開できません。テントも当初は単純なテロ組織に見えますが、資金の使い道と活動の目的が分かると印象が変わります。
主要キャストと役柄・プロフィール
乃木憂助/F役|堺雅人
乃木は丸菱商事の社員。気が弱く押しに弱い会社員に見えますが、危機的状況では別人のような能力を発揮します。内面には自分自身と会話するもう一人の人格“F”が存在し、幼少期に失った記憶と家族への思いを抱えています。
堺雅人さんは1973年10月14日生まれ、宮崎県出身。代表作は『半沢直樹』『リーガル・ハイ』『真田丸』、映画『南極料理人』など。乃木とFの声、表情、姿勢を細かく変え、同じ人物の中にある複数の顔を演じ分けました。
野崎守役|阿部寛
野崎は警視庁公安部外事第4課の捜査官。バルカで乃木を救出し、薫やドラムとともに日本への脱出を図ります。豪胆に見えて観察力が鋭く、乃木の言動に違和感を覚えながらも、必要な場面では彼を信頼します。
阿部寛さんは1964年6月22日生まれ、神奈川県出身。『TRICK』『ドラゴン桜』『下町ロケット』、映画『テルマエ・ロマエ』などで知られます。緊迫した逃走劇に安心感とユーモアを加える存在です。
柚木薫役|二階堂ふみ
薫は世界医療機構の医師としてバルカで働き、心臓病を抱える少女ジャミーンを支えます。乃木や野崎と行動するうちに事件へ巻き込まれますが、自分の意思を曲げず患者を守ります。帰国後は乃木との距離も近づいていきます。
二階堂ふみさんは1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。代表作は連続テレビ小説『エール』、ドラマ『Eye Love You』、映画『ヒミズ』『翔んで埼玉』などです。
黒須駿役|松坂桃李
黒須は乃木と行動を共にする別班員。作戦遂行能力が高く、乃木への信頼も厚い一方、テント潜入作戦では乃木の真意が分からず激しく動揺します。任務と仲間への感情の間で揺れる姿が、乃木の行動の危うさを際立たせました。
松坂桃李さんは1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。代表作は『侍戦隊シンケンジャー』、映画『新聞記者』『孤狼の血 LEVEL2』『ラーゲリより愛を込めて』などです。
ノゴーン・ベキ役|役所広司
ベキは国際的なテロ組織とみられる「テント」のリーダー。孤児を保護しながら組織を率い、乃木が長年捜していた父・乃木卓でもあります。家族を失った過去、日本への恨み、バルカの子どもたちへの愛情を抱えた複雑な人物です。
役所広司さんは1956年1月1日生まれ、長崎県出身。代表作は映画『Shall we ダンス?』『孤狼の血』『PERFECT DAYS』、ドラマ『陸王』など。恐ろしさと父親としての温かさを同時に感じさせます。
ノコル役|二宮和也
ノコルはベキの側近で、息子として育てられたテントの中心人物です。血のつながった乃木が現れたことで、自分の立場とベキの愛情に不安を抱きます。組織を運営する実務能力を持ち、続編にもつながる重要人物です。
二宮和也さんは1983年6月17日生まれ、東京都出身。代表作は『フリーター、家を買う。』『ブラックペアン』、映画『硫黄島からの手紙』『ラーゲリより愛を込めて』などです。
重要な脇役キャスト
- ドラム/富栄ドラム:野崎の有能な協力者。林原めぐみさんの音声を使って意思を伝えます。
- チンギス/Barslkhagva Batbold:乃木たちを追うバルカ警察官。後に野崎へ協力します。
- ジャミーン/Nandin-Erdene Khongorzul:薫が守る少女。ベキや乃木とも深いつながりを持ちます。
- 山本巧/迫田孝也:丸菱商事社員。誤送金事件とテントを結ぶ鍵になります。
- 太田梨歩/飯沼愛:丸菱商事の元社員で、天才的なハッカー。
- 櫻井里美/キムラ緑子:別班の司令。
- 新庄浩太郎/竜星涼:野崎と行動する公安捜査官。
- 乃木明美/高梨臨:乃木憂助の母。
- 若き日の乃木卓/林遣都:公安任務で家族とバルカへ渡った乃木の父。
全10話の流れ|前半・中盤・終盤
第1話~第3話|誤送金とバルカ脱出
乃木は130億円の誤送金を取り戻すためバルカへ渡ります。アマン建設のアリを追う途中で爆発事件に巻き込まれ、野崎、薫、ドラムと国境へ逃走。砂漠や国境警備を突破する冒険の一方、乃木には状況判断があまりに鋭い瞬間があり、普通の商社マンではない疑いが生まれます。
第4話~第6話|乃木の正体と別班
日本へ戻った乃木は、誤送金を仕組んだ人物とテントの協力者を追います。山本巧が組織のモニターだったと判明し、乃木と黒須は彼を処理。乃木の本当の所属が自衛隊の非公認部隊「別班」であることが明かされます。
公安の野崎も乃木の経歴を調べ、幼少期にバルカで両親と生き別れた過去へ到達。乃木はテントを追う任務と、自分の父親を捜す個人的な目的を重ねていました。
第7話~第9話|テントへの潜入
乃木は仲間の別班員を撃ち、組織を裏切ったように見せてテントへ潜入します。黒須さえ乃木の本心を知らされておらず、視聴者にも裏切りが本物なのか分からない構成です。テントのリーダー・ベキが実父だと確認され、ノコルとの兄弟関係も生まれます。
さらに、テントが得た資金の多くをバルカの孤児院や学校、医療支援へ使っていたことが判明します。しかし土地購入計画とテロ活動には別の目的が隠され、善意だけで正当化できない組織の矛盾が描かれます。
【ネタバレ】最終回の結末
乃木が別班員を射殺したように見えた場面は、急所を外して生存させた潜入作戦でした。乃木は別班を裏切っておらず、テント内部から日本を狙う計画を止めようとしていたのです。
ベキが日本で狙ったのは、かつて自分と家族を見捨てた人物への復讐でした。乃木は父を止めるために発砲しますが、野崎は乃木の言葉から、ベキが本当に死亡したとは限らないと読み取ります。乃木は「皇天親無く惟徳を是輔く」と伝え、花を手向けるのはまだ先だと話しました。遺体が焼失したことも含め、ベキ生存の余地を残した結末です。
事件後、乃木は薫とジャミーンのもとへ向かいます。しかし神田明神には、別班の招集を知らせる赤い饅頭が置かれていました。乃木に新たな任務が届いたところで第1シーズンは終了。この直後から2026年版が始まります。
「VIVANT」とは何を意味していた?
物語序盤では、ジャミーンが発した「ヴィヴァン」という言葉の意味が謎になります。やがてそれは「別班」を指す言葉として解釈され、乃木の正体へつながりました。一方、フランス語の「vivant」には「生きている」という意味もあります。
死んだと思われた人物、生き別れた家族、国家の記録に存在しない部隊など、本作は「表向きには存在しないが、生きて動いているもの」を描きます。タイトルは組織名の聞き違いにとどまらず、作品全体の生存と再会のテーマにも重なります。
第2シーズンを見る前に覚えておきたいポイント
- 乃木は丸菱商事社員であり別班員でもある
- Fは乃木の内面に現れるもう一人の人格
- ベキは乃木の実父、ノコルはベキに育てられた息子
- 野崎は乃木を疑いながら能力を認める公安捜査官
- テントは解体へ向かったが、関係者と謎は残った
- ベキの死亡は断定しきれない
- 赤い饅頭は別班からの緊急招集を示す
続きの出演者と最新の人物関係は、2026年版『VIVANT』キャスト・相関図・あらすじでまとめています。
第1シーズンはどこで見られる?
公式サイトではU-NEXTへの配信案内が掲載されています。TVerやTBS FREEでは期間限定の再配信が行われる場合がありますが、対象話や期間は変わります。TBS公式の第1シーズンあらすじと配信案内をご確認ください。
全10話を1話ずつ振り返る
第1話では、乃木が1億ドルの誤送金を取り戻すためバルカへ向かい、アリを追う最中に爆発へ巻き込まれます。野崎、薫、ドラムとの出会いによって、企業の金銭トラブルだった物語が国家を越える逃走劇へ変わりました。
第2話では、日本大使館を目指す一行をチンギス率いる警察が追跡。砂漠で離れた薫を乃木が捜しに戻る姿から、彼の優しさと異常なほどの判断力が同時に描かれます。野崎は早い段階から、乃木が普通の商社マンではないと感じていました。
第3話では、帰国へ向けた国境突破が中心です。大使館側の裏切りもあり、安全だと思った場所が安全ではないという本作の基本構造が明確になります。敵だったチンギスとも、目的が一致すれば協力できる関係が生まれました。
第4話では日本で誤送金の犯人を追い、太田梨歩が事件に利用されていたこと、丸菱商事の内部にテントの協力者がいることが判明します。終盤で乃木と黒須が山本を追い詰め、乃木が別班員だと明かされる場面は、第1シーズン最大の転換点です。
第5話では、乃木の生い立ちと別班に入るまでが掘り下げられます。幼少期にバルカで家族と離れ、記憶を失い、児童養護施設で育った経験が、国家への忠誠と父を捜す執念の両方につながっていました。
第6話では、テントのリーダーが乃木の父・乃木卓である可能性が高まります。公安は乃木を追い、別班はテントへの接触を急ぐため、同じ日本を守る組織同士が情報を隠し合う緊張が強まります。
第7話では、乃木が別班の仲間を撃ってテント側へ渡ります。黒須にも計画を明かさない徹底ぶりにより、潜入なのか本当に裏切ったのかを、登場人物だけでなく視聴者にも判断させない展開となりました。
第8話では、ベキが乃木を息子だと確認するため過酷な試練を課します。ノコルは突然現れた実子への警戒を隠せません。乃木は父との再会を喜ぶだけでなく、別班員としてテントの実態を冷静に観察します。
第9話では、テントの資金が孤児院や学校の運営に使われていること、土地購入には地下資源が関係することが判明。テロを請け負ってきた事実と、バルカの未来を守ろうとする目的が並び、組織を単純な悪と呼べなくなります。
最終話では、乃木の別班員射撃が偽装だったと明かされ、テントの日本での計画が阻止されます。ベキは復讐へ向かい、乃木は父を撃つという決断を選択。薫とジャミーンのもとへ戻ろうとした乃木に赤い饅頭が届き、物語は第2シーズンへ続きます。
乃木とFは二重人格なのか
Fは乃木にしか見えず、危機の際に判断を促す存在です。ただし劇中では医学的な診断名を断定していません。幼少期の過酷な体験から生まれた自己防衛的な人格、乃木が抑えている大胆さや怒りの可視化として見ることができます。
気弱な会社員の乃木、任務を遂行する別班員、父に愛されたかった息子、そして合理的なFは、別々に切り離せるものではありません。最終的な決断をFへ任せず乃木自身が引き受ける場面に、彼の成長が表れています。
別班と公安は何が違う?
公安は警察組織の一部として、国家の安全を脅かす活動を捜査します。野崎たちは法と捜査の枠組みで証拠を集め、容疑者を追います。一方の別班は、自衛隊内に存在するとされる非公認の諜報部隊。存在自体が公表されず、テロを未然に防ぐため海外を含む秘密工作を行います。
目的は日本を守ることで重なりますが、公安から見れば別班は身元も命令系統も分からない監視対象です。別班から見れば、捜査の公開性は秘密作戦を危険にさらします。乃木と野崎が信頼し合いながら情報をすべて共有できないことが、本作の緊張を生んでいます。
まとめ
『VIVANT』第1シーズンは、130億円の誤送金を追う企業ドラマから、バルカ脱出、別班と公安の攻防、テントの謎、乃木と父ベキの再会へスケールを広げた全10話です。豪華キャストだけでなく、所属と家族のどちらを信じるかという人物の選択が物語の核になっています。
最終話の赤い饅頭は物語の終了ではなく、新しい任務の始まりでした。第1シーズンを見直す際は、野崎と新庄の動き、長野専務の発言、別班の連絡方法、ベキの生死に注目すると、第2シーズンへつながる伏線を見つけやすくなります。



