※この記事は『VIVANT』第1シーズンの重要な展開・結末に触れます。未視聴の方はご注意ください。

結論|バルカ共和国は架空の国、主要ロケ地はモンゴル

『VIVANT』に登場するバルカ共和国は実在しません。地理、民族、宗教、言語、資源問題を物語のために組み立てた架空国家です。その広大な砂漠と草原、首都クーダンの場面は主にモンゴルで撮影されました。TBSの公式発信では、モンゴルロケは約2か月半、移動距離は約1000キロに及んだと紹介されています。

映像には実在の風景が映りますが、劇中の国境、警察署、病院、道路の位置関係は物語上の編集です。「バルカのこの町へ行く」という旅行はできません。本記事では公式・自治体が確認した場所を中心に、モンゴル、島根、東京の順でロケ地と場面の意味を整理します。

主要ロケ地早見表

劇中の場所・場面撮影地確認状況
バルカ共和国の砂漠・草原モンゴル各地TBS公式
首都クーダンの都市風景ウランバートル周辺TBS公式ツアー等
卓と明美の結婚式出雲大社 神楽殿島根県公式
乃木家の実家・回想櫻井家住宅/可部屋集成館島根県公式
実家へ向かう棚田道奥出雲町・大原新田付近島根県公式
若き卓が川辺で勉強鬼の舌震島根県公式
乃木が赤飯を供える神社神田明神現地・関連資料で確認

モンゴルがバルカ共和国に選ばれた理由

モンゴルには、水平線まで遮るもののない草原、砂丘、岩山、急速に発展する首都が共存します。一つの国の中で、国境越えの緊張、砂漠の逃走、遊牧民の生活、政府機関が並ぶ都市を撮れることが、バルカの多層的な世界観に合いました。日本国内のセットだけでは得にくい距離感が、乃木たちが簡単には帰れないという危機感を作っています。

福澤克雄監督はTBSのインタビューで、架空国家バルカの場面をモンゴルで撮影したと明かしています。観光映像のように名所だけを切り取るのではなく、長距離を実際に移動し、天候や光の変化を画面へ取り込んだことが作品のスケールにつながりました。

ウランバートルは首都クーダンの土台

バルカの首都クーダンは、モンゴルの首都ウランバートルを中心に撮影されました。市街地の広い道路、政府建築を思わせる重厚な外観、旧来の街並みと高層建築の混在が、複数民族と政治勢力を抱える架空国家の説得力を高めます。TBSが実施した公式ロケ地ツアーでも、ウランバートルは「クーダン」として紹介されました。

ただしドラマ内のクーダンは、複数地点のカット、セット、美術、CG、編集を合わせた都市です。広場から警察施設、病院までが劇中通りの距離に並んでいるわけではありません。現地で同じ移動ルートを再現しようとせず、建物単位の公開情報を確認してください。

砂漠の逃走シーンは「距離」そのものが演技になった

第1話から続く砂漠の移動は、乃木、野崎、薫、ドラムの関係を作る重要な時間です。足場の悪さ、日中と夜間の寒暖差、逃げ場のなさは、スタジオの背景では出しにくい身体感覚を俳優の表情に与えます。遠景に人工物がほとんどないため、追跡者が小さく見えても危険が迫ることが伝わります。

「砂漠」と呼ばれる場面も、すべて同じ地点で撮られたとは限りません。砂丘、乾いた平原、岩場を編集でつなぎ、国境までの長大なルートに見せています。旅行情報サイトが特定の砂丘名を挙げる例はありますが、TBSの公式確認がない地点は断定せず、モンゴル各地という表現が安全です。

2か月半・約1000キロの海外ロケが生んだリアリティ

公式動画では、撮影隊が約2か月半にわたりモンゴルに滞在し、およそ1000キロを移動したことが紹介されています。連続ドラマとしては異例の規模です。スタッフ、出演者、機材、車両、動物、現地エキストラが関わるため、カメラに映らない移動と準備にも大きな時間が必要でした。

この規模は派手さだけのためではありません。バルカを単一民族の「異国」にせず、都市で働く人、遊牧生活を送る人、警察、富裕層、孤児など異なる暮らしを描くには、多様な場所と現地の協力が不可欠です。ドラム役の富栄ドラムをはじめ、言葉を越えて関係を作る人物が生きたのも、風景が背景ではなく社会として撮られているからです。

島根県|乃木家のルーツを映した4つの公式ロケ地

乃木憂助の日本側の原点は島根です。島根県公式観光サイトは『VIVANT』ロケ地マップを公開し、撮影場面まで明記しています。海外パートの広さに対し、島根は血縁、土地の記憶、受け継がれる家を表現します。乃木が自分の名前と過去を取り戻す物語に欠かせない場所です。

出雲大社・神楽殿

第9話の乃木卓と明美の結婚式は、出雲大社の神楽殿で撮影されました。大勢の親族とエキストラに祝福される幸福な記憶が、その後の家族の離散と強い対比になります。一般の参拝者が訪れる神聖な場所なので、撮影場面の再現を優先せず、参拝の作法と現地の案内に従いましょう。

櫻井家住宅/可部屋集成館

奥出雲町の櫻井家住宅は乃木家の実家として登場します。野崎が伯父の寛道から話を聞く場面、高校生の憂助が実家を訪れる場面、若い卓と明美の回想などが撮影されました。たたら製鉄と関わりの深い歴史的建築で、古い家の時間の厚みが乃木家の系譜を説明しています。

大原新田付近

奥出雲町大馬木大原の棚田沿いでは、野崎がパトカーで乃木家へ向かう場面や田植えの風景が撮られました。海外で国家規模の事件を追っていた物語が、日本の農村の道へ収束することで、乃木の問題が世界と家族の両方にまたがることが見えてきます。道路や農地は生活の場です。駐車や立ち入りは地元の案内を守る必要があります。

鬼の舌震

国指定名勝・天然記念物の鬼の舌震では、若い卓が川辺で勉強する回想場面が撮影されました。乃木家の次男で家業を継げない卓が、別の道を求めて学ぶ姿です。岩と急流の景観は美しい一方、遊歩道には高低差があります。季節、天候、通行情報を公式サイトで確認して訪れてください。

東京・神田明神|赤いまんじゅうが示す場所

乃木が任務の合図として赤いまんじゅうを供える神社の場面は、東京都千代田区の神田明神で撮影されたことで知られています。都心にありながら境内の朱色と石段が印象的で、日常の参拝場所と秘密任務の入口が重なる『VIVANT』らしいロケーションです。

神田明神はロケ用施設ではなく、多くの人が祈りに訪れる神社です。供物を勝手に置く、同じ位置を長時間占有する、参拝者の顔を無断撮影するといった行為は避けましょう。ドラマと同じ構図の写真より、その場所の本来の意味を尊重することが聖地巡礼の基本です。

ロケ地情報を見るときの注意点

ロケ地まとめには、公式発表、自治体のフィルムコミッション、出演者や施設の発信、視聴者の推測が混在します。外観と室内が別施設、入口だけ実景で内部はセットというケースもあります。建物が似ているだけの推定を確定情報のように扱うと、無関係な施設や住民に迷惑がかかります。

この記事では、TBSと島根県が確認した場所を中心に掲載しました。営業日、拝観時間、撮影可否、交通手段は放送当時から変わる可能性があります。訪問前に施設の公式サイトで最新情報を確認し、私有地には入らないでください。モンゴルでは日本語だけで移動しにくい地域もあり、砂漠部は通信や給水、気候への備えが必要です。

バルカはなぜ実在国名にしなかったのか

架空国家にすることで、制作側は一つの国や民族をテロ、腐敗、貧困と直接結びつけずに済みます。同時に、モンゴルの風景や文化を借りながら、宗教対立、資源、国境、孤児問題など複数地域に共通するテーマを配置できます。バルカ語や地図、通貨を作り込んだのも、実在国の説明ではなく独立した世界を成立させるためです。

視聴者にとっては「どこの国か分からない」こと自体が、乃木と同じ不安を体験する仕掛けです。やがて風景がテントの理念やベキの人生と結びつき、異国の背景だったバルカがもう一つの故郷に見えてきます。ロケ地の力は、壮観な画面だけでなく認識の変化を支えています。

ロケ地巡りのおすすめ順

国内で作品の核心をたどるなら、まず神田明神で乃木の別班としての顔を思い出し、次に島根の出雲大社、奥出雲へ進むと、任務から家族のルーツへ向かう流れを体験できます。島根は地点間が離れているため、公共交通の時刻かレンタカーの移動時間を事前に確認すると安心です。複数日で計画し、観光地そのものの歴史にも触れると旅が深まります。

モンゴルは、ウランバートル滞在と地方移動を分けて考えるのが現実的です。ドラマと同じ広域移動を個人で再現するのではなく、認可された旅行会社や現地ガイドを利用し、季節に合った装備を整えましょう。作品公式のツアーは常設とは限らないため、現在の催行情報を確認してください。

作品をもう一度整理したい人へ

人物関係と物語の入口は『VIVANT』第1シーズンのキャスト・相関図・あらすじ、伏線を時系列で確認したい場合は第1シーズンのネタバレ考察にまとめています。続編の登場人物と最新情報は2026年版『VIVANT』第2シーズンまとめをご覧ください。

参考にした公式情報

TBS INNOVATION LAND・福澤克雄監督インタビュー、TBS公式YouTubeのモンゴルロケ映像、島根県公式「VIVANT」ロケ地MAPを参照しました。

まとめ

バルカ共和国は架空の国で、主要な海外場面はモンゴルで撮影されました。首都クーダンはウランバートルを土台にし、砂漠と草原を含む約1000キロの移動が物語の圧倒的な距離感を生みました。国内では出雲大社神楽殿、櫻井家住宅、大原新田、鬼の舌震、神田明神が重要です。ロケ地を訪れる際は、公式情報を確認し、信仰施設、文化財、農地、私有地への配慮を忘れないようにしましょう。